寺田寅彦の書いた随筆の中から高知に関係するものと、最近の高知で撮影した写真と重ねることができる文章をいくつかのTXT版から抜き出しました。
写真と併せて、寺田寅彦の随筆文をお楽しみください。
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「東上記」 家から東京までの旅路をつづったもの。
「嵐」 嵐が来たことを中心に須崎での療養生活周辺の一部。
「郷土的味覚」 高知の寒竹(カンチク)、虎杖(イタドリ)、楊梅(ヤマモモ)ほか木の実などを採り食べたことを懐古して。
「花物語」 子供の頃の思い出を昼顔(ヒルガオ)、月見草(ツキミソウ)、栗(クリ)の花などをテーマに。
「追憶の医師達」 身体の弱かった子供の頃に世話になった数人の医師達についての思い出。
「わが中学時代の勉強法」 江の口小学校、高知県立第一中学校(今の追手前高校)での寅彦の勉強法や友について。
「庭の追憶」 藤田の油絵「秋庭」を見て、庭の造作のいくつかについて思い出している。
「高知がえり」 療養先の須崎から高知へ自分の誕生日に戻る船の中の乗客達のようすなど。
「怪異考その1」 怪異考のその1は「孕のジャン」、その2は「ギバ」について。
「糸車」 自分が12歳の時になくなった祖母が使っていた糸車の思い出を中心に田園で育ったしあわせについて。
「藤棚の陰から」 ナンジャモンジャの木、睡蓮のつぼみ、虞美人草のつぼみなどを話題にした19話の短編集。
「亮の追憶」 子供の時、よく一緒に遊んだ、亮という年上の友人(甥)について、一周忌を前に思い出など。
「化け物の進化」 天狗や河童ではなく、自然科学界の化け物について。
「竜舌蘭」 姉さんの嫁ぎ先の初節句に招かれ、母とともに泊まりがけでお邪魔をする。
「初旅」 中学時代の後半に、自分で本当に旅らしい旅をした。
「海水浴」 父と塩湯治のため知多に行ったことや、中学時代に友人と泊まりがけでの種崎の海水浴など。
<参考>
○「寺田寅彦郷土随筆集」が昭和32年12月に寺田寅彦没後22年の命日に、橋詰延寿先生、八波直則先生、川村源七先生らにより36編の郷土関係作品が集められて寺田寅彦顕彰事業後援会により発行されています。
○永らく絶版のままでしたが、橋詰延寿先生、横川末吉先生をはじめ多くの方の協力によって52編に増補され、寺田寅彦生誕100年の昭和53年に新版が高知市教育委員会により発行されています。
○また、平成15年には「寺田寅彦の郷土随筆-ゆかりの地を訪ねて-」が10編の随筆や日記を引用しながらゆかりの地を写真で紹介するスタイルで高知市教育委員会から発行されています。これは寺田寅彦記念館友の会が編集に携わっています。
○県立文学館は平成9年に開館したので5周年記念行事として、寺田家から寄贈されている1400点の資料から普段展示していない資料の展示紹介を行いました。その記録として平成15年に「寺田寅彦-天然に育まれし眼差し-」の冊子が発行されていて、その中でゆかりの地と関連作品を紹介しています。